「脳外科医竹田くん」という漫画をご存じですか?
実はこの作品、実在の医師がモデルとなっており、その中心人物が松井宏樹さんと言われています。
この記事では、松井宏樹さんの経歴や学歴、そして赤穂市民病院で起きた医療事故の真相、裁判の判決内容までを詳しくまとめました。
医療現場のリアルとSNS社会の情報拡散、そしてエリート医師がなぜ過ちを犯したのか——
技術職である筆者が感じた「信頼の大切さ」や「組織と個人の責任」についても、自身の経験を交えて分析しています。
脳外科医竹田くんのモデルは誰?松井宏樹との関係とは
「脳外科医竹田くん」は、ある医療事故をきっかけにネットで注目を集めた漫画です。
そのモデルとされているのが、脳神経外科医の松井宏樹さん。
では、実際にこのモデル説は本当なのでしょうか?
ここでは、漫画の内容と松井さんとの関連性を掘り下げていきます。
また、筆者が仕事で感じた、メディアの扱いや情報の拡散の怖さについても触れますね。
「脳外科医竹田くん」はどんな漫画?
まず、「脳外科医竹田くん」は医療事故の被害者家族がネット上で公開した作品です。
内容は、実在する医師の過失とみられる手術ミスをベースに描かれていて、多くの読者の心を揺さぶるリアルな描写が印象的でした。
とくに、手術前後の患者対応の描写や、医師のモラルに疑問を投げかける内容は、医療従事者でなくても強く印象に残るものでした。
漫画という形式ですが、感情のこもった告発のような意味合いもあり、SNSを通じて瞬く間に広がりました。
読んだ当時、私は「これはただのフィクションじゃない」と直感的に感じました。
普段SNSを使っていて、なんとなく情報が一気に拡散される仕組みを理解しているだけに、こうした形で事実が公になっていく流れはとても象徴的に思えたんです。
次は、このモデルとされる松井宏樹さんとはどんな人物なのかを見ていきますね。
モデルとされる松井宏樹医師とは?
松井宏樹さんは、兵庫県姫路市出身の脳神経外科医です。
横浜市立大学医学部を卒業し、赤穂市民病院をはじめとする複数の病院で脳外科医として勤務してきました。
2020年に起きた医療事故により、患者が重い後遺症を負ったとして、業務上過失致傷の罪で在宅起訴されたことでも話題になっています。
この事故をきっかけに、「脳外科医竹田くん」のモデルではないかと噂されるようになりました。
実際に松井さんご本人が、漫画に対して名誉毀損だとして発信者情報開示請求を行ったことからも、関係性は深いと言えそうです。
技術者視点で見ると、こうした“モデル化”された実名に近い描写がどれだけ波紋を広げるのかを強く感じます。
医療とITの世界は違えど、「透明性」と「責任」というワードの重みはどちらの業界にも共通しているなと改めて感じました。
松井宏樹の経歴と学歴|頭脳明晰なエリート医師だった?
松井宏樹さんは、高偏差値の学校を卒業し、脳神経外科医として実績を積んできた人物です。
エリート医師といえる学歴と、複数の病院での経歴を持つことから、医療業界内では一定の信頼を得ていた存在でもありました。
しかし、今回の事件でそのイメージは大きく揺らぐことに。
出身高校・大学は?愛光学園と横浜市立大学
松井宏樹さんの出身高校は、愛媛県の超名門校「愛光学園高校」です。
偏差値は75とされており、毎年東京大学や国公立医学部へ多くの合格者を輩出しているトップレベルの進学校です。
その後、松井さんは「横浜市立大学医学部」へ進学。
こちらも偏差値は67.5と非常に高く、医師を目指す人にとっては憧れの大学の一つですね。
学生時代にはラグビーにも熱中していたという情報もあり、文武両道な一面も見られます。
私としては、「偏差値の高さ=人間的な誠実さ」ではないと、常々感じています。
特に医療現場では、学力以上に「人としての信頼」が重要だと強く思いますね。
次は、そんな松井さんの職歴を振り返ります。
複数の病院でキャリアを重ねた経歴
松井宏樹さんの医師としてのキャリアは以下の通りです。
- 滋賀医科大学 脳神経外科(2014年~)
- 伊賀市立上野総合市民病院(2015年~)
- 赤穂市民病院(2019年~2021年)
- 吹田徳洲会病院(2023年~?)
特に赤穂市民病院では、「脳神経外科部長」というポジションを務めており、若くして責任ある立場に就いていました。
経歴だけを見ると、エリートそのものですが、後に明らかになる医療事故や対応を見ると「肩書きに隠れたリスク」も感じます。
職種は違いますが、IT業界でも肩書きだけのリーダーが現場を混乱させる場面はよくあります。
華やかな経歴に安心せず、実績や人柄をきちんと見極めることの大切さを再認識しました。
赤穂市民病院で何があった?医療事故の経緯と内容
赤穂市民病院で起きた医療事故は、多くの人に衝撃を与えました。
特に注目されたのは、ドリルで神経を誤って切断してしまったという手術ミス。
この出来事は「脳外科医竹田くん」の元ネタになったとも言われており、被害者家族による漫画化を通じてさらに世間に知られるようになりました。
ここでは、事故の内容や手術中の様子、問題視された対応について詳しく紹介します。
神経切断による下半身まひの詳細
2020年、松井宏樹さんは赤穂市民病院にて、70代女性の腰部脊柱管狭窄症に対する手術を担当しました。
しかし手術中、ドリルで骨を削る過程で誤って神経を切断。
その結果、患者の女性は足に重度のまひが残り、慢性的な痛み(疼痛)に苦しむことになりました。
さらに問題だったのは、手術前に「200例以上見てきた」と虚偽の説明をしていたこと。
手術後には「看護師に面倒をかけるので、早く退院してもらいたい」などの発言もあったとされ、医師としての姿勢が問われる事態に発展しました。
読んだとき、私はこの「虚偽説明」と「軽視発言」に強い怒りを覚えました。
IT業界でも、顧客への過大なプレゼンや想定外トラブルへの冷たい対応が炎上を招くケースがあり、それと本質は似ていると感じます。
信頼は一瞬で崩れるんですよね。
次に、その言動がいかに世間に影響を与えたかを見ていきましょう。
問題視された松井宏樹の手術対応と発言
事故直後、病院側からの詳しい説明がなかったことも問題となりました。
記録映像には、ドリルの刃先に白っぽい神経組織が絡む様子が映っていたそうです。
手術の失敗は「止血が不十分な中での無理な操作」が原因とされ、明らかに注意義務違反があったと指摘されています。
また、患者に対して「退院してほしい」といった発言がされたことで、「人としての対応」に疑問を感じた方も多かったようです。
このあたりは、医療技術以上に人間性やコミュニケーション力が問われる部分ですね。
エンジニアの私も、トラブル対応時には「技術より誠意」が問われると何度も痛感しています。
医療裁判の判決内容は?約8900万円の損害賠償命令
赤穂市民病院での医療事故をめぐる裁判は、全国的にも大きな注目を集めました。
2024年3月、神戸地裁姫路支部は、松井宏樹さんと赤穂市に対し約8900万円の損害賠償支払いを命じる判決を下しました。
医師個人への重大な責任認定という点でも、非常に異例の判決と言えます。
ここでは、裁判所の判断や被害者側・病院側の反応をまとめつつ、エンジニアとしての視点で「組織と個人の責任の境界」について考えてみます。
神戸地裁姫路支部が認定した「重大な過失」とは
判決によると、松井宏樹さんは視認性が確保できていない状態でドリルを使い、神経を傷つけたとして、「著しい注意義務違反」があったとされました。
女性の後遺障害に対しては約8670万円、家族に対しては約220万円の賠償が命じられています。
また、過去にも7件の医療事故に関与し、うち2件は死亡事故という事実が明らかにされました。
裁判所は「偶発的な事故ではなく、基本的な注意を怠ったことが原因」と判断しました。
このあたり、私がいるシステム開発の現場にも通じる部分が多くあります。
コードミスや障害はたいてい「うっかり」ではなく、「手順を守らなかった」「確認を怠った」といった基本の抜けから起きるんです。
そして、その責任はチームではなく“実行者個人”に向けられやすいというのも、医療と同じだと感じました。
次に、関係者たちの反応を見てみましょう。
被害者家族と病院側の主張・反応
被害者女性の家族は、判決を受けて「過失の重大性が認められたことに意味がある」とコメントしています。
病院側も「判決を真摯に受け止め、再発防止に努める」としていますが、遺族にとっては到底癒やされるものではないでしょう。
松井さん側は、「危険な手術を上司に強制された」と主張していましたが、これは裁判所に認められませんでした。
社会的には、「指示されたからやった」は免罪符にならないのは常識です。
たとえ上からの命令であっても、「おかしい」と思ったら止める勇気や判断力が求められる。
それが専門職の責任というものであり、命に関わる医療ならなおさらだと強く思いました。
松井宏樹の現在と今後|吹田徳洲会病院で勤務の噂も
医療事故と裁判を経て、松井宏樹さんは今どこで何をしているのでしょうか?
現在は医師免許のはく奪などは行われておらず、一部の報道では大阪府の吹田徳洲会病院に勤務しているとの噂もあります。
ただし、病院側からの公式発表はなく、本人のSNSや医師会登録などでも確認されていません。
ここでは、松井さんのその後の足取りと、再び現場に立つ可能性について掘り下げていきます。
医師としての活動は継続中?
2023年以降、松井宏樹さんが「吹田徳洲会病院で勤務している」という情報が出回りました。
ただ、これはあくまで噂レベルの話で、公式には認められていません。
起訴された後も、医師としての資格は維持されており、医師免許の停止処分なども確認されていません。
つまり、法的には今も医師として活動することが可能な状態です。
医療業界の内部で再起を図る例は過去にもありますが、患者や同僚からの信頼を取り戻すには、相当の覚悟と誠意が必要です。
40代技術職の筆者の視点で言えば、職種に限らず「信用を失った人間が現場に戻る」のは本当に難しい。
技術力よりも、「またこの人と仕事がしたい」と思わせる人間力が問われる場面なんですよね。
松井さんにその覚悟があるのかどうか、今後の動きに注目が集まります。
世間の反応と「モデル論争」の行方
「脳外科医竹田くん」のモデルとして名指しされた松井さんは、漫画に対して名誉毀損を主張し、発信者情報開示請求も行いました。
これにより、一部では「被害者家族をさらに追い詰めているのでは」といった批判もありました。
一方で、「事実と異なる描写があるなら名誉を守るのは当然」という意見もあり、ネット上では賛否が分かれています。
この問題は、SNS時代における「告発」と「誹謗中傷」の境界線を考えさせられる事例でもありますね。
情報が一気に拡散する現代では、真実と憶測が混在しやすく、結果として誰かを深く傷つけてしまうこともあります。
エンジニアの私も、開発ミスがSNSで晒されかけた経験があり、その“デジタルの怖さ”を実感しました。
今後は、松井さんがどのように過去と向き合い、医師としてどう生きていくのかが大きな注目ポイントになりそうです。
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